伊藤博文 広島 紅葉

題白雲洞(伊藤博文) / 白雲洞に題す

作者 伊藤博文 原文 題白雲洞 金風颯颯夕陽中 閑倚溪樓對晩楓 不是樊川亦吟愛 天妃留我醉殘紅 訓読 白雲洞に題す 金風 颯颯たり 夕陽の中 閑(しず)かに渓楼に倚りて晩楓に対す 是れ樊川も亦た吟愛するにあらずや...

伊達政宗

水邊月(伊達政宗) / 水辺の月

作者 伊達政宗 原文 水邊月 西風吹後月方新 賓主浮觴猶甚親 此景尤奇見簾外 水邊佳興悩吟身 訓読 水辺の月 西風 吹いて後 月 方(まさ)に新たなり 賓主 觴を浮かべて猶ほ甚だ親しむ 此の景 尤も奇にして簾外を見...

林羅山

武野月(林羅山) / 武野の月

作者 林羅山 原文 武野月 武陵秋色月嬋姸 曠野平原晴快然 輾破靑靑無轍迹 一輪千里草連天 訓読 武野の月 武陵の秋色 月 嬋妍たり 曠野 平原 晴れて快然たり 青青を輾破して轍迹無し 一輪 千里 草 天に連な...

食べ物 新井白石

蕎麥麵(新井白石)  / 蕎麦麺

作者 新井白石 原文 蕎麥麵 落磨玉屑白皚皚 素餠團圓月樣開 蘆倒孤洲吹雪下 蓬飄平野捲雲來 鸞刀揮處遊絲亂 翠釜烹時疊浪堆 萊箙葷葱香滿碗 肯將麻飯訪天台 訓読 蕎麦麺 磨より落つる玉屑 白 皚皚 素...

陸奥宗光 牢獄

夏夜不寐(陸奥宗光) / 夏夜寐ねず

作者 陸奥宗光 原文 夏夜不寐 滿袖涼風雨後天 半庭樹色露華鮮 閒人乘興未成睡 杜宇啼過落月邊 訓読 夏夜寐(い)ねず 袖に満つる涼風 雨後の天 半庭の樹色 露華 鮮やかなり 間人 興に乗じて未だ睡を成さず 杜...

家族 高杉晋作 恋愛

戯作(高杉晋作)  / 戯れに作る

作者 高杉晋作 原文 戯作 細君將到我閑居 妾女胸間患有餘 從是两花競艷美 主人拱手意何如 訓読 戯れに作る 細君 将に到らんとす 我が閑居 妾女の胸間 患(うれ)ひ余り有り 是れより両花 艶美を競ふ 主人 手...

夏目漱石

山路觀楓(夏目漱石) / 山路に楓を観る

作者 夏目漱石 原文 山路觀楓 石苔沐雨滑難攀 渡水穿林往又還 處處鹿聲尋不得 白雲紅葉滿千山 訓読 山路に楓を観る 石苔 雨に沐し 滑りて攀じ難し 水を渡り林を穿ち 往きて又た還る 処処の鹿声 尋ね得ず 白雲...

大塩平八郎

夏日江行卽事(大塩平八郎)  / 夏日江行即事

作者 大塩平八郎 原文 夏日江行卽事 納涼船舸晩來繁 漾蕩下流各醉昏 白蓮碧葦淸涼處 道遠無人上水源 訓読 夏日江行即事 納涼の船舸 晩来 繁(しげ)し 漾蕩として流れを下って各(おのおの)酔昏す 白蓮 碧葦 清涼...

茨城 幕末 木戸孝允

戊午夏到常州銚子浦(木戸孝允) /  戊午の夏、常州銚子浦に到る

作者 木戸孝允(桂小五郎) 原文 戊午夏到常州銚子浦 風沸東瀛萬里雲 米山鄂海自成鄰 我邦今日方多事 誰是誠忠報國人 訓読 戊午の夏、常州銚子浦に到る 風は沸く 東瀛 万里の雲 米山 鄂海 自(おのずか)ら鄰を成す ...

大久保利通 栃木

登二荒山(大久保利通)  / 二荒山に登る

作者 大久保利通 原文 登二荒山 行盡岩嶢幾數仞 人蹤斷處路難分 前山晴去後山雨 千態萬容脚底雲 訓読 二荒山に登る 行き尽くす 岩の嶢(たか)きこと幾数仞なるを 人蹤 断える処 路 分かち難し 前山 晴れ去って ...

西郷隆盛

避暑(西郷隆盛) / 暑を避く

作者 西郷隆盛 原文 避暑 苛雲圍屋汗沾衣 白鳥飢來吮血肥 逃暑移牀臨澗水 曳笻搖扇歩苔磯 斉鳴蛙鼓田疇沸 亂點螢燈草露輝 幽味最甘松樹下 爽風閑月渡崔嵬 訓読 暑を避く 苛雲 屋を囲んで 汗 衣を沾(うる...

夏目漱石 千葉

興津之景淸秀穏雅保田之勝険奇巉峭嘗試作二絶較之 其二(夏目漱石)  / 興津の景は清秀穏雅、保田の勝は険奇巉峭、嘗試(こころ)みに二絶を作りて之を較ぶ 其の二

作者 夏目漱石 原文 興津之景淸秀穏雅保田之勝険奇巉峭嘗試作二絶較之 其二 西方決眥望茫茫 幾丈巨濤拍亂塘 水盡孤帆天際去 長風吹滿太平洋 訓読 興津の景は清秀穏雅、保田の勝は険奇巉峭、嘗試(こころ)みに二絶を作りて之を較ぶ 其の...

西郷隆盛

孔雀(西郷隆盛)

作者 西郷隆盛 原文 孔雀 金尾花冠一綠衣 産來南越遠高飛 從爲天覽放樊籠 畫出銀屛羽亦揮 訓読 孔雀 金尾 花冠 一緑衣 南越に産し来たりて遠く高飛す 天覧を為(な)さんと樊籠を放たれしより 銀屏に画き出ださ...

夏目漱石 静岡

興津之景淸秀穏雅保田之勝険奇巉峭嘗試作二絶較之 其一(夏目漱石) /  興津の景は清秀穏雅、保田の勝は険奇巉峭、嘗試(こころ)みに二絶を作りて之を較ぶ 其の一

作者 夏目漱石 原文 興津之景淸秀穏雅保田之勝険奇巉峭嘗試作二絶較之 其一 風穏波平七月天 韶光入夏自悠然 出雲帆影白千點 總在水天髣髴邊 訓読 興津の景は清秀穏雅、保田の勝は険奇巉峭、嘗試(こころ)みに二絶を作りて之を較ぶ 其の...

武市半平太 牢獄

初聞蟬(武市半平太)  / 初めて蝉を聞く

作者 武市半平太 原文 初聞蟬 炎威赫赫日流金 獄裏蒸炊又那禁 時羨新蟬尤肆意 窗前緑樹吸風吟 訓読 初めて蝉を聞く 炎威 赫赫として 日々金を流す 獄裏の蒸炊 又た那(なん)ぞ禁(た)へん 時に羨む 新蝉の尤も意...

京都 松平春嶽 幕末

五月六日到銅駝府(松平春嶽) / 五月六日 銅駝府に到る

作者 松平春嶽 原文 五月六日到銅駝府 聞説縉紳多罷黜 朝家威德欲衰時 四人爲到銅駝府 願獻丹誠救此危 訓読 五月六日 銅駝府に到る 聞くならく縉紳 多く罷黜すと 朝家の威徳 衰へんと欲する時 四人 為に到る 銅駝...

大塩平八郎 富士山

登富士山 其二(大塩平八郎) 富士山に登る 其の二

作者 大塩平八郎 原文 登富士山 千年雪映千年月 況復紅輪未曉昇 下界祇今猶夢寐 枕頭暗暗五更燈 訓読 富士山に登る 其の二 千年の雪は映ず 千年の月 況んや復た紅輪の未だ暁けて昇らざるをや 下界 祇だ今 猶ほ夢寐...

近藤勇 幕末

有感作(近藤勇)  / 感有りて作る

作者 近藤勇 原文 有感作 只應晦迹寓牆東 喋喋何隨世俗同 果識英雄心上事 不英雄處是英雄 訓読 感有りて作る 只だ応に迹を晦(くら)まして牆東に寓すべし 喋喋として何ぞ世俗に随ひて同じからんや 果たして識る 英雄...

高杉晋作 富士山

題不二石(高杉晋作) / 不二石に題す

作者 高杉晋作 原文 題不二石 誰道天工勝人作 不知人作勝天工 萬尋富嶽千秋雪 卻在斯翁一掌中 訓読 不二石に題す 誰か道(い)ふ 天工は人作に勝ると 知らずや人作の天工に勝るを 万尋の富岳 千秋の雪 却って斯...

大塩平八郎

五更出郭蛙聲喧(大塩平八郎) / 五更 郭を出づれば蛙声 喧し

作者 大塩平八郎 原文 五更出郭蛙聲喧 稲田千頃水如川 聒聒蛙聲欲動天 天天縦似雷鳴響 潭底龍蛇蟄尚眠 訓読 五更 郭を出づれば蛙声 喧(かまびす)し 稲田 千頃 水 川の如し 聒聒たる蛙声 天を動かさんと欲す 天...

新井白石

自題肖像(新井白石) / 自ら肖像に題す

作者 新井白石 原文 自題肖像 蒼顔如鐡鬢如銀 紫石稜稜電射人 五尺小身渾是膽 明時何用畫麒麟 訓読 自ら肖像に題す 蒼顔 鉄の如く 鬢 銀の如し 紫石 稜稜として 電 人を射る 五尺の小身 渾て是れ胆 明時 ...

伊藤博文 神奈川

丙申五月二十四日靑宮殿下臨大磯別墅恭賦(伊藤博文) / 丙申五月二十四日、青宮殿下、大磯の別墅に臨む。恭(つつ)しんで賦す。

作者 伊藤博文 原文 丙申五月二十四日靑宮殿下臨大磯別墅恭賦 雨晴東海啓雲霞 含咲芙蓉迎鶴車 賢德日隆輝四表 恩光更及野人家 訓読 丙申五月二十四日、青宮殿下、大磯の別墅に臨む。恭(つつ)しんで賦す。 雨晴れて東海に雲霞 ...

夏目漱石

題墨竹(夏目漱石) / 墨竹に題す

作者 夏目漱石 原文 題墨竹 二十年來愛碧林 山人須解友虛心 長毫漬墨時如雨 欲寫鏗鏘戛玉音 訓読 墨竹に題す 二十年来 碧林を愛す 山人 須(すべか)らく解(よ)く虚心を友とすべし 長毫 墨に漬(ひた)して時に雨...

弔悼 林羅山

久能宮(林羅山)

作者 林羅山 原文 久能宮 何圖忽輟國中舂 哀慕憑誰寫御容 臣妾叩頭將伏拜 雲車高駕鼎湖龍 訓読 久能宮 何ぞ図らんや 忽ち国中の舂づくを輟(とど)めんとは 哀慕 誰に憑りてか御容を写さん 臣妾 叩頭して将に伏し拝...

詠史 西郷隆盛 幕末

題楠公圖(西郷隆盛) / 楠公の図に題す

作者 西郷隆盛 原文 題楠公圖 奇策明籌不可謨 正勤王事是眞儒 懷君一死七生語 抱此忠魂今在無 訓読 楠公の図に題す 奇策 明籌 謨(はか)るべからず 正に王事に勤むるは是れ真儒 懐ふ 君が一死七生の語 此の忠...

大久保利通 弔悼

明治十一年五月甲東翁薨後七日會于友人某家席上偶作(伊藤博文)/ 明治十一年五月、甲東翁薨じて後七日、友人某の家に会して席上偶作す

作者 伊藤博文 原文 明治十一年五月甲東翁薨後七日會于友人某家席上偶作 千載眞知何處求 英雄去後氣如秋 連天風雨萬行淚 濺遍蜻蜓六十州 訓読 明治十一年五月、甲東翁薨じて後七日、友人某の家に会して席上偶作す 千載の真知 何...