織女惜別(直江兼続) / 織女別れを惜しむ

2016年8月20日土曜日

節句 直江兼続 恋愛


作者

原文

織女惜別

二星何恨隔年逢
今夜連床散鬱胸
私語未終先洒涙
合歓枕下五更鐘

訓読

織女惜別

二星 何ぞ恨まん 年を隔てて逢ふを
今夜 床を連ねて鬱胸を散ず
私語 未だ終はらざるに先づ涙を洒ぐ
合歓枕下 五更の鐘

織姫が別れを惜しむ

織姫と彦星の二つの星は年に1回しか逢えないが、どうしてそれを恨んだりしよう
七夕の今夜、ふたりはベッドを共にして1年間の鬱屈した思いを晴らすのだから
だが、ささやき合う言葉がまだ尽きないうちに、もう涙が流れ出てくる
歓びを交わした枕の近くで夜明けの鐘が響いてきたのだ

二星:牽牛星(彦星)と織女星(織姫)。
私語:こっそり話す。ささやく。白居易《長恨歌》「夜半無人私語時」
:そそぐ。水をまく。水がしたたる。
合歓:歓びをともにする。男女がむつみあう。
五更:午前4時~6時。夜明け。

餘論

直江兼継の代表作といわれる詩です。題詠(あらかじめ決められた題を与えられてその題にもとづいて詩を作ること)と思われます。題詠は決められたテーマの中での創作になるため、どうしても発想が平凡になりやすく作りにくいものなのですが、さすがは戦国武将随一の漢詩人と呼ばれる兼続だけあって、うまくまとまっています。