伊藤博文の漢詩(4) 日出(日 出づ)
作者
原文
日出
日出扶桑東海隈
長風忽拂嶽雲來
凌霄一萬三千尺
八朶芙蓉當面開
訓読
日 出づ
日は出づ 扶桑 東海の隈
長風 忽ち岳雲を払ひて来たる
凌霄 一万三千尺
八朶の芙蓉 面に当たりて開く
訳
日の出
東方の海の一隅にある日本に朝日がのぼり
はるか遠くから吹いてくる風がたちまち山にかかる雲をはらいのける
天をも凌いで一万三千尺の高さにそびえる富士山は
あたかも八枚の花びらの蓮の花のように美しく開いたかのように目の当たりに見える
注
扶桑:中国の伝説で東方の海中にあるとされた島。転じて日本のこと。
凌霄:空を凌ぐほど高い。
八朶芙蓉:花びら8枚の蓮の花。「朶」は花びらや枝を数える量詞。富士山の山頂には8つの峰があることから、8枚の花びらをひろげる蓮の花にたとえられ、「蓮嶽」「芙蓉峰」などと呼ぶ。
當面:目の当たりに、眼前に。
餘論
明治18(1885)年の作。
おそらく伊藤博文の最も有名な詩と思われます。美しいものだけを美しい言葉だけで詠みあげた詩、というべき作品で、「銭湯のペンキ絵のようだ」と評する人もいますが、銭湯のペンキ絵を描くのも決して容易なことではなく、まして、この詩の持つ風格は凡手のなしうるところではありません。
おそらく伊藤博文の最も有名な詩と思われます。美しいものだけを美しい言葉だけで詠みあげた詩、というべき作品で、「銭湯のペンキ絵のようだ」と評する人もいますが、銭湯のペンキ絵を描くのも決して容易なことではなく、まして、この詩の持つ風格は凡手のなしうるところではありません。
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